始まりは「野良犬」だった。2017年の春、メディアでは野良犬に関するニュースが特に多く流れた。都市の再開発地域では、人々が飼っていた犬を捨てて去り、そうして飼い主を失った犬たちは山に上がり、野良犬の群れになったという話だった。都会に野良犬とは。妙に矛盾した話に聞こえ、それで野良犬を探しにソウルに残った最後の月屋根の町、ペクサマウルを訪ねた。家が一つおきに空き家になっている町には、放浪する犬たちと1メートルのリードに繋がれて苦痛を受けている犬たちが、それぞれ厳しい時間を耐え抜いていた。果たして都会で人間と動物は共に幸せになることはできないのだろうか?カメラにはその答えを探しに出た1年余りの時間がそのまま収められており、その旅の終わりには、道上の疲れた生命たちを慰めるための美しい音楽会が開かれる。(2019年 第7回順天湾世界動物映画祭)