蟾津江(ソムジンガン)上流のファゲゴルには多くの宿場がある。その中でもオクファの家は、安くて酒がおいしく、人情味があると評判の宿場だった。ある日、還暦を過ぎたような本の商人オ・ドンウンが、18歳くらいの娘ケヨンを連れてオクファの家を訪れる。本の商人は30年ほど前、友人と一座を組んで遊んだり、このファゲ市場で一晩だけ泊まっていったという思い出話を語る。本の商人が娘ケヨンをオクファの家に預けてファゲゴルへ行った日、オクファの一人息子ソングンが山から下りてくる。ソングンはケヨンを初めて見た瞬間、不思議な緊張と興奮を感じる。オクファの亡くなった母ソヒャンは、ナムサダン(大道芸一座)のジニャンジョ(歌唱法)に惹かれ、一夜の契りを結んでオクファを身ごもり、そのナムサダンを36年間待ち続けて死んでいった。オクファもまた、数奇な運命を辿り、サンゲ寺の若い僧侶ポプンと禁断の愛を結んでソングンを産み、ポプンも風のように姿を消した。ソングンの四柱にも「駅馬殺(エキマサル)」が宿っていると言われ、10歳の時にサンゲ寺に預けられた。オクファはある日偶然、ケヨンの耳たぶに自分と同じほくろがあるのを発見する。オクファは不吉な予感に、巫女を訪ねる。そして、本の商人がオクファの生みの父であり、ケヨンがオクファの異母妹であることを聞く。驚いたオクファは、ソングンとケヨンの仲を裂こうとし、ソングンは母親の急変した態度を恨めしく思う。本の商人が戻ってきて、ヨスで裕福に暮らす友人の息子とケヨンを婚約させ、再び旅に出ると言う。ケヨンは荷物を持ち、商人に従って悲しく別れを告げる。