インドネシアの小さな島、スンバワを揺るがす歓声。競馬が始まった。小柄で機敏な少年騎手ダオは、5歳の頃からレースに参加してきた。トラックを完走すれば、大人の1日の日当である10万ルピアがもらえる。ダオはそのお金で、父、母、2人の妹の生計を助けている。都会で高校に通う姉の学費もダオの稼ぎだ。弟のパティが生まれると、家計が苦しくなった両親はダオを馬主に預けることにし、ダオは故郷を離れて馬小屋での生活を始める。早朝から草を刈り、馬を洗うダオ。夜は厩舎の片隅で、暗い明かりの下で勉強する。過酷な生活の中でも、ダオは獣医という夢を育んでいく。練習試合の日、興奮した馬の上で仲間の騎手が落馬するのを見たダオは、恐怖を感じる。父親はダオをシャーマンのもとに連れて行き、聖水を浴びせ、祈りながら「馬から落ちても怪我はしない」と言う。父と神の言葉を固く信じたい少年。しかし、弟のパティも騎手に育てるという大人たちの言葉に、心が重くなる。聖水の力で、子供たちは馬から落ちても本当に痛くないのだろうか? 不安と期待を胸に、発走台の前に立つ少年。このレースはいつまで続くのだろうか?