記憶を失いながら航海を続ける中年男性。ある日を境に、頭の中で聞こえる妻の声が幻聴だと気づかず、自然に会話を続けている。彼に迫る黒い灰と黒い水。息苦しそうに喘ぐクジラ。燃え盛る大陸。座礁した船舶から流れ出す油。時間が経つにつれて病んでいくが、嵐の中で妻との最後の会話は、夢を追い、巨大な波に立ち向かう勇気を与えてくれる。そして、彼に近づいてきた世界は、妻の願いとは異なる世界だった。