野生動物保護を目的としてチトワン国立公園が設立された際、そこに住んでいたタル族は強制的に立ち退かされた。彼らは公園のすぐ隣に村を作り、定住せざるを得なくなった。一方、金よりも高価になったサイの角を狙った無慈悲な密猟が横行し、サイは絶滅の危機に瀕した。ネパール政府は軍を動員してサイの保護を開始し、それは成功を収めた。しかし、個体数が増加した一方で、国立公園の生息空間は限られていた。サイは餌を求めて境界を越え、最も近い村へと向かい始めた。人間と動物が最初に衝突する場所は、国立公園に最も近い村、すなわちタル族の居住地となった。ここが「バッファーゾーン(緩衝地帯)」である。伝統的なタル族のサムディは、農作物を荒らすサイを殺したいと思っているが、特別保護種であるため、命がけで追い払うことしかできない。タル族のジャングルガイドであるデイブは、野生動物によって両親を亡くした孤児たちの面倒を見ている。彼は観光客に野生のサイを見せて生計を立てている。一方、ネパール政府の努力にもかかわらず、サイの密猟は後を絶たない。人間の欲望によって消えゆくサイ、サイのせいで村を離れなければならない農夫、サイによって生き延びるジャングルガイド。互いに相反する願い。バッファーゾーンで彼らの共存は可能なのだろうか。