ある日、見知らぬ人の名前が書かれた郵便物が届いた。考えてみると、以前にも似たようなことがあった。私の家に住んでいた誰かに届いた手紙だった。その人も私のように賃借人だっただろうから、どこかで私のように誤配された郵便物を受け取っているかもしれない。郵便物が溜まり、その名前が馴染んできた頃、その人に手紙を書いてみようという考えが浮かんだ。私と同じ空間を共有した人、私が見たものを見た人、私が住んでいる痕跡の主人だったその人に。