「親権者は、子を保護または教養するために必要な懲戒をすることができる」―民法第915条。2021年1月、63年ぶりに民法第915条の懲戒権条項が削除された。これにより、家庭内で行われるしつけのためのあらゆる体罰が犯罪となった。昨年4月、ある母親が警察に自身の児童虐待の事実を自首した。ニュースで見るような惨たらしい児童虐待事件ではない。嘘をついたから、掃除をしなかったからという理由で、しつけという名のもとに始まった体罰と暴言が、ある瞬間から止まらなくなったのだ。自首後、虐待を止めようとする強い意志にもかかわらず、変化は遅々としている。本作は、児童虐待を自首した母親の事例を追い、その後の1年間を密着取材したドキュメンタリーである。事件の取材ではなく、日常のしつけが虐待に変わる瞬間を捉える視点でアプローチした。加害と後悔を繰り返す母親と、期待と絶望を繰り返す子供の状況を淡々と描き出し、国家の介入があっても虐待を止める過程がいかに困難であるかを浮き彫りにする。予測不能だった1年の記録は、問題の複雑さを浮き彫りにし、癒やしと改善の難しさ、そして希望を同時に提示する。